Stracto創業ストーリー|後編:独立から会社設立へ
会社をつくることは、独立した当初の目標ではありませんでした。フリーランスとして働く中で直接契約の機会が生まれ、法人化を考えるようになりました。どんな会社にするかは、技術者としてつまずき、学び直した経験から考えました。
経験を重ね、働き方を見つめ直す
設計・構築への再挑戦を経て、その後も多くの案件に携わりました。現場でできることが増え、新卒社員の指導も担当しました。教える側になったことで、経験をどう伝え、次の人をどう支えるかを考える機会も増えました。
一方で、再び立ち止まる時期があり、退職を選びました。現場でつまずいた経験と、人を教えた経験の両方から、新しい仕事への挑戦には、本人の努力だけでなく、参画後の学びや相談できる環境も必要だと考えるようになりました。
会社員以外の働き方を考える
退職後、独立して働く人たちの発信に触れ、会社員以外の働き方を自分の選択肢として考えるようになりました。
会社という看板を離れたとき、自分の技術はどう評価されるのか。どんな仕事を選び、どんな対価を得られるのか。それを確かめたくて、フリーランスという道を考え始めました。
独立の前に、自宅Labで学び直す
退職してすぐにフリーランスになったわけではありません。前編で使ったのは勤務先の実機でしたが、今度は自分で機器を買い集め、自宅にLabを構築しました。独立前に、扱える技術の幅を広げたかったからです。
ネットワークから始め、インターネット接続、サーバ、クラウド、VPN接続へと環境を広げました。一時的な実験ではなく、日常的に動かす環境として運用し、構成を考え、問題が起きれば調べて直すことを繰り返しました。
何を試し、どこまで作るかを自分で決める。知識を実際の構成と結びつけながら、自分のキャリアを自分で設計し始めた感覚がありました。現在、Technical Labに検証や運用の記録を残している考え方の原点も、この時期にあります。
フリーランスとして市場で試す
Labで学び直した後、フリーランスとして仕事を始めました。案件の内容、求められる技術、提示される単価を見て、自分で仕事を選ぶようになりました。
希望する仕事を得るには、経験や技術を相手に伝え、成果で応える必要があります。厳しさはありましたが、自分の市場価値を具体的に知る機会にもなりました。働く条件を自分で選ぶことは、仕事への向き合い方を変えました。
直接契約が、法人化を考えるきっかけに
フリーランスとして仕事を続ける中で、クライアントと直接契約する機会が生まれました。個人として技術が通用するかを確かめたかった私にとって、会社を持つことは当初の目的ではありませんでした。
直接契約の機会を前に、事業の継続や税務面も含めて働き方を見直しました。そして、法人として仕事を積み重ねていく道を選びました。
変化があっても、働く人を支えられる会社に
会社を長く続けるには、目の前の仕事だけでなく、変化への備えも必要です。案件や体制の変化で売上が揺れる時期にも、技術者やビジネスパートナー(BP)への支援を続けられるよう、財務基盤を育てたいと考えています。
余力が生まれれば、働く人への還元や学び続けられる環境づくりに回す。成果を積み重ねるほど、仕事を続けやすくなる会社を目指します。
技術者の挑戦を、会社が支える
私自身、経験の足りない仕事でつまずき、学び直してきました。だからStractoでは、新しい領域に挑戦する技術者を、本人の努力だけに任せたくありません。検証環境やナレッジを整え、困ったときに相談できるようにしたいと考えています。
働き方も同じです。長く働くこと自体が成果につながるとは考えていません。配属先によって条件は異なりますが、長時間労働を常態化させないことを基本方針としています。そのために、技術調査や資料作成など、AIに任せられる作業には社内でもAIを活用し、人が取り組むべき仕事に時間を使えるようにしています。
挑戦を促すなら、会社にも支える責任があります。成果が適切な対価として本人に返ることも含め、考えを一つずつ仕組みにしていきます。
Stractoの原点と、これから
直接契約を機に法人化を選び、技術者としてのつまずきや学び直し、人に教えた経験を会社の方針につなげました。挑戦を本人任せにせず、学ぶ環境と働き方を整え、成果を働く人に返す。これがStractoで形にしたいことです。
業務も経営も、最初からうまくできる人は多くないと思います。私自身、エンジニアに向いていないのではないかと何度も思いました。今も分からないことや不安はあり、技術者としても経営者としても発展途上です。
それでも、私が25歳でIT業界に入った頃と比べ、技術は大きく進歩し、働き方やコンプライアンスへの意識も変わってきたと感じます。学ぶ手段や働き方の選択肢も増えました。Stractoもまだ完成された会社ではありません。関わる皆さんと、共に学び、共に成長していきたいと思います。