Stracto創業ストーリー|前編:技術者としてのつまずきと再挑戦
CCNAを取ってIT業界に入りました。しかし、運用から設計へ進んだ現場で、知識だけでは仕事を進められず、一度立ち止まりました。前編では、実機で学び直してもう一度設計・構築に挑むまでを書きます。
資格を取っても、実務は初めてだった
20代前半の頃、私は職業訓練に通い、ネットワークの基礎を学んでCCNAを取得しました。そして25歳でIT企業に就職しました。
資格は取ったものの、入社した時点では実務経験がありません。技術者としての仕事は、ここからのスタートでした。
話すのが苦手なら、準備の仕方を変える
入社当初の客先面談では緊張してうまく話せず、なかなか参画する現場が決まりませんでした。
面談を重ねるうちに、話し方だけを変えようとするより、事前の準備を変えたほうがよいと気づきました。担当した業務をスキルシートに具体的に残し、相手が知りたいことや質問されそうなことも先回りして書く。面談では、その内容を確認しながら説明できるようにしました。
苦手なことを無理に隠すのではなく、準備で伝わりやすくする。この考え方は、その後の仕事でも役に立ちました。
運用から設計へ。知識だけでは届かなかった
ネットワークの運用案件が終わり、次に紹介されたのは、大規模なシステム更改に伴う設計・構築案件でした。未経験の領域でしたが、キャリアを広げる機会として挑戦しました。
案件には、当時の私になじみの薄いネットワーク技術や、次期環境の方式検討も含まれていました。運用と設計では、求められる考え方が違います。当時の私はCCNAで学んだ知識を現場の判断に結びつけられず、周囲の会話を理解することにも苦労しました。設計・構築が初めての私には、求められる水準が高く感じられました。
思うように仕事を進められず、しばらく現場を離れました。資格で得た知識は大切な土台です。ただ、それを現場で使える力にするには、実際の環境で試しながら学ぶことが必要だと痛感しました。
人に教えることが、再出発の足がかりになった
現場に戻るまでの時期、新人教育に関わる機会がありました。若手社員と話し、分からないことを一緒に考え、学んだことを伝える時間です。
教えるには、自分の理解を整理しなければなりません。そのやり取りが学び直しにもなり、仕事への感覚を少しずつ取り戻すきっかけになりました。その後、現場の仕事に戻りました。
実機で確かめ、設計・構築に再挑戦する
仕事に戻ってからは、勤務先の実機環境を使って自主的に学びました。構成や設定を試し、うまくいかないところを確かめる。その経験を現場の仕事と行き来させながら、理解を深めていきました。
その後、CCNPを取得しました。ただ、資格だけで設計ができるようになるわけではありません。基礎を学び直し、実機で試し、現場で確かめることを続けながら、ネットワークの設計・構築にもう一度挑戦しました。
分からないことや失敗もありましたが、経験を重ねるうちに、担当できる仕事が少しずつ増えていきました。
知識を身につけることと、現場で使えるようになること。その間を埋めるのは、準備と実践の積み重ねでした。
後編へ
話すことに苦労したときは、準備の仕方を変えました。設計の仕事でつまずいたときは、実機に触れて学び直しました。技術者としての土台は、そうした試行錯誤からできたのだと思います。
同時に、新しい仕事への挑戦を本人の努力だけに任せてよいのか、という問いも残りました。後編では、その後に働き方を見直し、Stractoを設立するまでを振り返ります。